認定特定非営利活動法人 静岡県就労支援事業者機構

協力雇用主について

協力雇用主とは

犯罪・非行の前歴のために仕事に就くことが容易でない刑務所等出所者等を、その事情を理解した上で雇用し、立ち直りを助ける事業主の方々です。

雇用実績の紹介

協力雇用主の現状

グラフ:協力雇用主の様々な業種

現在、全国に約20,000の協力雇用主がいらっしゃいますが、実際に刑務所出所者等を雇用してくださっている事業主は、そのうち約1,500となっています。
静岡県内の協力雇用主数は541社で内訳はご覧の通りになります。
建設業、サービス業、製造業が全体の8割を占めるとともに、従業員規模100人未満の事業主が全体の7割を占めています。
刑務所出所者等の円滑な社会復帰・職場定着のためには、事業主の方々との適切なマッチングが重要です。そのため、幅広い業種の事業主の方々にご登録いただきたいと考えています。
(令和元年10月1日現在)

地域に密着した
多くの事業主の方々の
ご理解とご協力を!
是非、協力雇用主として
ご登録ください。

協力雇用主登録について

協力雇用主に登録し、就労支援にご協力をお願いします。
協力雇用主は、犯罪や非行歴のために仕事に就くことが難しい人たちの事情を理解し、雇用することで立ち直りを支援する事業主です。
協力雇用主になるためには、静岡保護観察所(以下「観察所」)に登録し、地区協力雇用主会に入会する必要があります。

登録手続きは、観察所が行いますが、登録関係書類は静岡県更生保護就労支援事業所を経由して観察所に提出することになります。
観察所に協力雇用主として登録後、地区協力雇用主会に入会をいただきます。地区協力雇用主会は、県内15地区に設置されています。
登録をご希望の方は、静岡県就労支援事業者機構までお問い合わせください。

協力雇用主になるステップ

1保護観察所又は、就労支援事業者機構に連絡してください。
協力雇用主として静岡保護観察所に登録手続きをします。

保護観察所に必要書類を提出します。
会社の事業内容等を把握し、協力雇用主としての活動が可能であるかを検討します。

全国50か所(各都府県1か所・北海道は4か所)に保護観察所があります。

2地区協力雇用主会に入会します。
地区協力雇用主会は、静岡県内15地区に設置されています。

図:地区協力雇用主会、入会の流れ
図:地区協力雇用主会、入会の流れ

協力雇用主に対する
支援制度について

  • 協力雇用主の意義はわかったけど、
    実際に雇うことには、やっぱり不安があるなあ…
  • そんな協力雇用主の方々の不安を軽くするために、
    支援制度があります!

刑務所出所者等
就労奨励金制度(国)(実際に雇用してくださった協力雇用主に
最長1年間奨励金を支給します。)

  • 就労・職場定着奨励金

    刑務所出所者等を雇用した場合、最長6か月間、月額最大8万円をお支払いします。※刑務所出所者等に対して、OJTや生活指導等を実施していただき、保護観察所にその状況の報告を行っていただきます。

    最大48万円

  • 就労継続奨励金

    刑務所出所者等を雇用してから6か月経過後、3か月ごとに2回、最大12万円をお支払いします。※刑務所出所者等に対して、OJTや生活指導等を実施していただき、保護観察所にその状況の報告を行っていただきます。

    最大24万円

  • 身元保証制度

    身元保証人を確保できない刑務所出所者等を雇用した日から最長1年間、刑務所出所者等により被った損害のうち、一定の条件を満たすものについて、損害ごとの上限額の範囲内で見舞金をお支払いします。

    最大200万円

  • トライアル雇用制度

    刑務所出所者等を試行的に雇用した場合、最長3か月間、月額4万円をお支払いします。※事前にトライアル雇用求人をハローワークに登録していただくとともに、雇用保険に加入していることが条件となります。

    最大12万円

  • 職場体験講習

    刑務所出所者等に実際の職場環境や業務を体験させていただいた場合、講習委託費をお支払いします。※社会保険に加入していることが条件となります。

    最大2万4,000円

  • 事業所見学会

    刑務所出所者等に実際の職場や社員寮等を見学させることにより、就労への意欲を引き出します。

  • 雇用奨励金制度
    (静岡県就労支援事業者機構)

    対象者1人の雇用につき、3ヵ月を限度に月額2万円をお支払します。資格取得の費用や採用面接の旅費も助成します。

協力雇用主さんの声

  • 協力雇用主は不安が沢山あると思う。私の会社も保護観察対象者を雇ったが、辞めてしまう者もおり、残念に思うこともある。しかし、やんちゃだった者が更生してくれた。そして今度は協力雇用主になり、若者を育てている。

  • 雇用主がやらなければならないことは、社員さんへの理解と協力をお願いすることです。「ひとりじゃないよ、仲間がいるんだよ。」と感じてもらうためです。そして、彼らを大きい心で受け止めてあげるということです。“受け入れる心”を持つことがこの活動の要だと思います。

  • 対象者の更生指導において雇用主の存在は大変大きいと思っています。単に仕事についてもらうだけではなく、仕事ぶり、交友関係、金銭管理等生活に密着し、対象者に寄り添った指導は雇用主だからできるものです。対象者は温かく迎えたいものです。

就労支援事業による
就職までの流れ

  1. 1観察所から就労支援の依頼を受けます。

  2. 2対象者と面接

    • これまでどんな職種に
      就いてこられましたか?
      資格は持ってますか?
      どんな仕事を希望しますか?
    • これまで●●業で
      仕事をしてきました。
      ●●の資格があります!
      ●●の仕事を希望します。
      人生をやり直したいと
      本気で考えています!
      よろしくお願いします!!
  3. 3協力雇用主とのマッチング採用面接の日程調整や同行支援

  4. 4協力雇用主との採用面接

  5. 5採用決定

    • これから
      頑張って行こうな!
    • これから
      頑張ります!

更生保護を支える人々

犯罪や非行からの立ち直りには、彼らを見守り支える地域社会のあたたかい心が必要です。
様々な立場から立ち直り支援に協力する「更生ボランティア」を紹介します。

  • 更生保護施設

    刑務所などを出た後、帰る場所がない人たちに宿泊場所や食事を提供し、自立に向けた生活指導を行う民間の施設です。

  • 保護司

    犯罪や非行により「保護観察」を受けることになった人の生活を見守り、様々な相談にのったり、指導をしています。犯罪を予防するための地域活動にも取り組んでいます。

  • 更生保護女性会員

    女性の立場から、地域における犯罪予防の活動や子供たちの健全育成のための子育て支援活動などを行うボランティア団体です。

  • 協力雇用主

    犯罪・非行歴のため仕事に就くことが難しい人たちを、その事情を理解した上で雇用し、立ち直りを支援する事業者です。

  • BBS会

    さまざまな問題を抱える少年に、兄や姉のように身近な立場で接することで、少年の成長を助ける青年ボランティア団体です。

更生保護施設の始まり

犯罪や非行をして刑務所や少年院に入った人たちの再出発を支える施設が「更生保護施設」です。
更生保護施設では「宿泊・食事の給与」「就労支援」「生活指導」「福祉・医療のあっせん」などの指導・保護をしております。

更生施設の誕生は、明治20年、静岡から!

  • 監獄から釈放された1人の男性がいました。かつては、あらゆる罪を重ねた男も、監獄職員たちの熱心な指導に心を入れ替え真人間になることを誓って出所しました。
  • しかし、10年ぶりに家に戻ると、妻は別の男性と暮らしていました。
    やむなく親戚を頼ったものの追い返され、ついには宿なしの身になってしまいました。
  • せっかく更生を誓ったというのに、親族からも見放された男は、絶望して自らの命を絶ってしまったといいます。
  • その話を聞いた一人の実業家「金原 明善」が地域の協力を募り、明治21年には、監獄から釈放された人を保護する施設を作りました。

金原明善(天保3年(1832)~大正12年(1923))

金原明善

我が国の更生保護は、明治21年(1888)に実業家と知られる金原明善(きんぱらめいぜん)・静岡監獄の副典獄(副所長)川村矯一郎らによって設立された「静岡県出獄人会社」(後の静岡県勧善会)に始まると言われています。

再犯を防ぐことを目的として、宿泊保護施設(今日の更生保護施設の源流)を設けるとともに、県下に1,700人を超える保護委員(今日の保護司の源流)を配置し、刑務所出所者の保護に当たりました。

現在、静岡県には、静岡市内に「更生保護法人 静岡県勧善会」と「更生保護法人 少年の家」の2カ所の更生保護施設があります。

静岡県就労支援事業者機構にご協力お願いします。

本機構の活動を支えていただきたく、会員様を募集しております。

入会のご案内